直属の上司である外交官が任期を終えて本国に帰る日を迎えた。
日本とは働き方も考え方も違い、入職したては戸惑った。
そんな右も左もわからなかった私に一から仕事を教えてくれたのが彼女だった。
実はこの外交官、他の外交官や職員から慕われていない。
私が入職した時から彼女の悪口が飛び交っていたが、先入観を持たずに接することを心掛けた。
一緒に働ければ働くほど、私は彼女が好きになった。
少し癖が強いが、嫌うレベルではない。
彼女の考え方、話し方、私はとても好きだった。しかも、彼女は笑うと笑顔がとんでもなく可愛い。
お昼休みは、ランチに行ったり、買い物に行ったり、まるで友達のような時間も過ごした。
絆が深まったのは、私が仕事でトラブルに巻き込まれたとき。
誰も助けてくれなかったとき、彼女だけ助けてくれた。
人間はわかりやすい生き物で、トラブルがあるとみんな去っていく。
彼女も関わりたくなかったはず。でも、最後まで全力で守ってくれた。
ティファニーで購入した彼女へのプレゼント。
公私で使えるボールペンを選んだ。
手紙も書いた。
最後は3度もハグをして彼女を見送った。
彼女のいない大阪。
寂しいが、これが人生。
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