昔、うちにはこんな外交官がいた。
アポなしで来客があると部屋から出て来ない。
気配を消して居留守する。
イベントに出席したがらない。
人との交流が好きでない。
外交パスポートで日本に来て、何してるんだ。
パスポートを返却せよ!と言いたくなるような人だった。
しかし、外交嫌いな外交官はこの人だけではない。
9時ー17時で働いて、家に帰って食事を済まし、22時には寝たいという外交官もいた。夜に開かれるパーティーはほとんど不参加だった。
パーティーが毎週のように行われる外交の世界には不向きの外交官である。
そもそも、内向的な人が何故外交官を目指したんだろう。
直属の上司に聞いてみた。
「キャビンアテンダントと同じだよ~!何が何でもキャビンアテンダントになりたい人は、たとえ仕事内容が好きじゃなくても「接客が好き」とか「素敵なサービスを提供したい」とか、キラキラしたこと面接で言うでしょ?外交官も憧れの職業だから、「国に奉仕したい」とか「世界で活躍したい」って言って、外務省の面接を突破するんだよ~!」
なるほど。
外交官という地位と名誉を手にするためなら、内向的でも外交的なふりをするそうだ。
面接のときだけ頑張るんだね。
私もイベントやパーティーに出席することがあるが、国によって毎回顔を出す外交官と出さない外交官に分かれる。
世界各国、意外と外交嫌いな外交官は多いのかもしれない。